注・このお話は、綺月様作・”drunkly”に影響されまくってます。てゆーか一部設定そのまんま
                     お借りしてます許可も得ずに。(駄目だろ)我ながらええ度胸してると思います。
                     あああごめんなさいいいいぃぃぃぃぃぃ・・・・ (パクリはいけない事です氷花さん)












 彼には妹が一人いる。大事な妹。血は繋がってはいないがそれでも。
 大事な大事な妹。ルイセ。
 泣き虫で。甘えたがりで。
 例えば、怖い夢を見たとき。
 泣きながら部屋を訪れてこう言う「お兄ちゃぁん、うえぇ、怖い夢見たよぉ」。
 苦笑して、頭を撫でて。
 大丈夫だと囁いて一緒に寝てやればたちまち安心して夢の中。
 しがみついて来るか細い腕が。
 さすがにそろそろ15になる女の子がこれはどうかとも思うが。
 困ってしまう反面、たしかに嬉しかったのだと、思い起こす。

 しかし、だ。

 それは小さくて幼くて可愛らしい子がするから”しょうがない”と思えるのであって。


 「アーネスト…いい加減離してくれ」


 例えば大の男にそうされて嬉しいかといえば。


 「嫌だ」


 そういうわけにもいかないのである。








◇ ◆   酔 っ 払 い に は 御 注 意 を   ◆  ◇





 「アーネスト」
 「断る」
 …………断られてしまった。
 (ほんと俺、そろそろ休みたいんだけど。今日中に帰ろうと思ってたけど無理そうだし。エリオットにどこか部屋借りて…ああ、  
 いきなり王様の部屋訪ねるのは良くないな。  ジュリア……、は駄目だ、こんな夜中に女性の部屋訪ねちゃ妙な噂が立つかも
 しれないし…となると、オスカーか。 アーネストはこれだし。ちょうどいい、文句のひとつでも言ってやる。とにかくいい加減
 こいつをどうにか寝かしつけて……)
 「なあ、いい加減もう夜遅いぞ? ずっと仕事してて疲れてるんだろ、俺ももう寝たいし。」
 「嫌だ」
 ………………………これは結構ヤバイかもしれない。
 口調は何処となくろれつがまわってないし。
 それにしても。
 なんとか首を動かしてテーブルの上の酒瓶を見る。珍しいブランデーと言っていた。ランザック産だったか? 
 確かに強いとは思ったけど。(俺がそう感じたという事は、たぶん25度は軽く超えているだろう)
 「それにしたって、ほんの数口じゃないか」
 大の男が情けないぞ。俺なんか2杯飲んだのに。
 ………いや、こういう言い方はよくない。アルコールに強い人間がいるということは、強くない人間もいるって事だ。
 第一これは体質なのであって、  簡単に酔っ払うのは彼の責任じゃない。
 ゼノスにも言われた。「ウワバミのお前と一緒にすんじゃねーよ」
 うん、だからしかたないとしても。
 「離せって」
 こういう事態になってしまったのだって俺の責任ではないわけで。(強いて言うなら今ここにはいないオスカーの責任であると思うのだが。)
 とにかく、この体勢はけっこうキツイ。
 「俺は人形じゃないんだぞ」
 一向に聞き入れてくれない酔っ払いの胸に頬押し付けて、ため息(身動き取れないのでそれくらいしか出来ない)。
 心臓の音。
 インペリアルナイトの制服(結構な厚さなんだろうと思うけど)ごしに。
 規則正しく。
 (嫌じゃない。どうかしてる俺も。酔ったか?)
 とはいえ。
 だからといって、だ。
 このままの状態をまあいいかと諦めるほどにはまだ人間できていない。
 くいくい、と制服を軽く引っ張る。そういえば長時間この体勢なものでこの服も結構皺が寄ってしまっていた。
 代えの服あれば良いけど明日。
 いやとにかく脱出が最優先だ。制服の皺なんて俺が心配する事じゃない。
 「な、アーネスト」
 「…………なんだ」
 「眠くないか?」
 「別に」
 「じゃあ、こんなことして楽しいか」
 「楽しい」
 「…………そう。」
 なにがどう楽しいか聞きたいような気がしたが、同時にものすごく聞きたくない気がしたので早々と話を打ち切った。
 ………俺が黙らされてどうする。
 「アーネスト」
 「なんだ」
 「明日も早いんだろ? 仕事もあるだろ? もう休んだほうがいいと思うぞ?」
 「嫌だ」
 駄目だ。遠まわしな言い方は通用しない。俺が馬鹿だった。
 理性を欠いた人間にはなるべく理解しやすい言葉を選ぶべきである。しかも何故か彼は意固地になっている。
 例えば。
 そう例えば、駄々っ子がそうするように。
 ……………成る程。
 もし身動きする事が可能であれば、ぽん、と手を打つ仕草をしていたかもしれない。
 子供だ、と思えばいいのだ。この際大の男だという事実は無視しよう。
 子供は強くいわれると反発する。だから「離せ」と頭ごなしの罵倒は逆効果。
 遠まわしな表現も通用しない事は実証済み。
 子供は苦手だが、それでも折り合いをつけるのなら。
 優しく。
 穏やかに。
 「なあ、アーネスト?」
 「何だ」

 「”       ?”」

 瞬間。
 がば、と引きはがされる体。
 「……本気か?」
 なんでそんな真剣な目をしてるんだあんた。
 俺なにか言い方間違えたのか?
 両肩を掴む手の力に顔をしかめながら、首をかしげる。
 「アーネスト」
 「良いんだな?」
 なに言ってんだオマエ。
 「カーマイン……」
 名を、囁かれる。
 「何……というか、それより手、ちょっと緩めろ。痛い………、っ、て、う、わぁあ!?」
 我ながら情けない悲鳴だった。それは認めよう。
 しかしだ。
 いきなり抱き上げられればびっくりして当然だろう。
 しかもだ。
 …………………言いたくない。言いたくないがしかし。

 …………………………………………………………………『お姫サマ抱っこ』という奴を体験する事になるとは思ってもみなかった。

 冗談じゃない。
 小さくて可憐な女の子ならいざ知らず、男が男に抱え上げられてなにが嬉しい!!
 「降ろせ!!」
 「嫌だ」
 そうだった。こいつは子供。小さな子供。……例え軽々男一人抱き上げてもこころは子供。
 「な、降ろしてくれないかな?」
 「断る。」
 困った。この場合、どういえば良いんだ?
 考え込んでいるうちに、アーネストはずかずか歩き出し。
 ───目撃者がいなくて良かったと思う。心の底からそう思う。


 

 寝台に。
 横たえられて。
 細心の注意で。
 聞いたことのないような響きの声が。
 囁く、名前。
 緋色の瞳。
 俺だけを見て。
 とてもとても真剣に。
 俺だけを見つめて。
 「カーマイン…」
 「…アー、ネス、ト?」
 …………………なんか苦手だ。
 身じろぎする。とにかく居心地が悪い。
 頬に触れる手。
 「………………っ……………………」
 まるで壊れ物を扱うように。
 触れる、指先の。
 動きに。
 …………………………………………ものすごく変な空気を感じるのだが気のせいなのか。
 視線を逸らす。
 「離せよ」
 我ながら弱弱しい抵抗なのはアーネストの目がなんとなく怖いからだ。
 兎に角この場を何とか切り抜けようとは思うのだが。
 無闇に刺激するのはまずいような気がする。が、かといってこのままというのはもっとまずい。
 ──どうしよう。
 指先の、熱。
 (あつい)
 吐息が、触れて。
 輪郭を、羽より軽く辿る。
 指先の。
 …………………なんかヤバイ気がする。凄く。
 逃げなければ今すぐ。
 「っアーネスト!」
 「何だ?」
 「楽しいか?」
 「楽しい」
 俺は楽しくない。やばいんだホントに。何がって言われても説明できないけどとにかく。
 困る。
 「離せ!」
 全力で暴れる。必死で叫ぶ。
 「離せって!」
 一向に動じず、囁く低音。
 いとも簡単に押さえつける腕のちから。
 囁いて。
 ───触れる。
 なんてタチの悪い酔い方するんだこいつは!
 「カーマイン……」
 っこの、馬鹿力!!




 「離せって言ってるだろう、本気で怒るぞアーネスト!!」
 絶叫は、むなしく響いて。
 「はーなーせっっっ」
 「断る」
 「おいっ!!」
 ……………夜は更けてゆく。




 声を荒げて暴れまわる救世の騎士様と、それを押さえつける、いつになく強引な帝国騎士様。
 前代未聞のこの珍事の見物客がいなかったのは。

 まことに残念な事であったと言えよう。 



 結局、どちらが先に力尽きたかは。




 …………………………………………………………………………………………………………………ご想像にお任せする。







 次の朝。
 疲れ切った表情の二人を前にして。
 「しまった先を越されたか」などと舌打ちする、「彼の『親友』」に。
 最高潮に不機嫌なカーマインの視線が突き刺さったのは仕方ない事だと言えよう。

 さらに、オスカーを睨み続ける割には、二日酔いに痛む頭を抱えたアーネストの方はちらりとも見ないマイ・ロードに。
 まったく事情を知らないジュリアがおろおろしつつも首をかしげたこともまた。

 言うまでもない事ではある。




 
 



               教訓。
                 酔っ払いには御注意を。
                 特に、不用意な発言は避けましょう。



                 例えば、”       ?”      





 
 
               ◆     ◇     ◆     ◇     ◆     ◇


 綺月様! さあ今です刺して!! 私がアー押さえてるスキに!!!!
 後数秒ももたないから早くっ、って、ぎゃーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。(断末魔)



 こんにちは氷花でございます。今日も元気です。(←謎。)

 ええ〜、っと。これは、ですね。(←決まり悪い)
 綺月様の”drunkly”に激しく妄想力(←正直)を刺激されまして。
 ああー、ううー、…………………さ、三次創作? ニュージャンル!(おい!)

 実はコレは。
 なんというか、まあ。
 そのぅ。

 あはは?

 ええい白状します!
 綺月様パソ復帰おめでとーございますと、綺月様本館7777おめでとーございますと、それから。
 
 「綺月様ともしかして両思い!? きゃーこれってそうなのかしら!!??」記念(←馬鹿っぽい。)に、考えてたものだったり。


 …して書き上げたのでしたが書き上げてそのまま忘れてました。(おい)
ファイルの隅っこに追いやられてて、つい最近「あれ? …ああ、そーいやこんなん書いたっけな。」などという感じで発掘されたのです。
 「どーしようかこれ」 …なかった事にしようかかなり悩みました。ゴミ箱はすぐ傍です。そして決心しました。
 「………………………………折角書いたし、モノは試し?」…己の貧乏性が情けない。
 最近ホントに質より量です。(それイタイ。)


 書き終わったのが9月後半のことでした。その時点ですでに「いつの話だそれは」的なツッコミが入っておかしくないのに。
 一石三鳥! とか気楽に考えてたあの頃の私の後頭部をはり倒したい。(しかも忘れてたとは救いようがない)
 時間よ戻れ。(無理)

 こんなふざけた奴ですみません。


 でもって。
 ヘタしたら綺月様のSS台無しにするかもという事実に今おびえております(てゆーかコレを初めに書いとくべきだ)。
 ゆ、許してくださいね? なにとぞ、なーにーとーぞ!
 だって綺月様の書かれるSSってば素敵で可愛くてなんとか近づけたい絶品ばかりですもの。まねっこ! (駄目だろ)

 例えば。
 可憐に咲く大輪の花のような綺月様のSSのとなりで、みみっちく養分のおすそ分けをねだっている雑草が氷花と思って
 頂ければしっくりくるかと。
 養分は同じでも咲く花(オチ)は雲泥! 違ってて当たり前!(我ながらうまい例えだ)
 ほおら、雑草相手に腹立ててもしょうがない! ね? ね?

 てなわけで、いつもより密着度が当然のごとく高いですが。さらに当然のようにカー君”アーネスト”言うてますが。
 今までのSSモドキとは別物と思っていただければ。

 鬼気迫る形相(間違いないよそれは)のアーさんから必死に逃れようとするカー君。
 …………笑い以外なにもとれねーな。(←それもアヤシイ。)
 臨場感あふれる文章が書けない自分が口惜しいですが、何分押し倒された経験などないものでご容赦を。
 途中からなんかキャラが壊れだしたカー君。うん、楽しかったのは認めます。正直に。

 同盟の方で綺月様が「押し倒さんばかりの勢い」などという発言をなさってたのでちょっと驚きました。こっちのアーも押し倒したよ!
 酒の勢い借りてだけどカー君押し倒してるよ!! 見てますか綺月様。とりあえずアーさん頑張ってます。

 このように。
 綺月様と氷花は時々シンクロします。(綺月様にとっては迷惑極まりない事に)
 コレが愛ではないのなら何なのか。(勝手)


 しかしこのオハナシの中で一番オイシイのはアーではなくルイセだ。
 美形兄に甘えたくなる気持ちは分かるが。心の底から。
 兄離れ、彼女はなかなか出来ないでしょうねあんなステキ兄がいたら。
 それから、ひそかにカー君ねらってるオスカーとかジュリアとか。
 ちょこちょこ他のキャラ書けて楽しかったです当時は。(当時とか言うな)


 さらに余談ですが。
 氷花もちょっとイケルクチでして。
 去年の忘年会で冷酒10杯とビール3杯、梅チューハイを1杯、あとカンで3杯イキましたところ。(覚えてるあたり、
 理性はなんとか残っていた模様)
 周りの私を見る目が、ほんのちょ〜っとばかり変わったのは、笑えない事実。「姉さん」とか呼ばれるんですけど先輩に。
 いや、暴れたり泣き喚いたりはしませんでしたけれども。(際限なくしゃべりまくった記憶が残ってます。先輩方は
 ”難しそうだから聞いてなかった”と。  難しいって何がだ。内容か? 解読がか?)
 25度くらいのリキュールも何度かそのまんま飲んだ事ありますが。(←一回ではないあたり懲りない奴。)
 ………喉が焼けます。
 ウチのカー君の強さは尋常じゃないです。

 どーでもいい話ですけどほんとに。

 要約するとアレです。
 氷花は氷花の道を行くのが一番被害が少ないという事です。
 ああでも楽しかったなあ……(わかってんのかほんとに)


 いやほんとに。まじですみません。


 ……………………ちなみに。
 天然カー君の不用意な発言のこたえ。


 ………………………………………………………………………『「ベッドに行こう?」』


 あーもー天然はコレだから!
 そりゃアーも誤解するわさすがに。
 君の苦労性はもう仕方ないものだと思って諦めるしかないね。がんばれ?


 それでは氷花は逃げます。いろいろなものから。(なんか日々逃げ足ばかり上達している気がしないでもない……)


                                               2003.09.22  氷花
                                                ─────08:12(PM)              
                                      いや、だからね、書き終えたのは↑時だったんですって。


▽ 管理人戯言
うむむ流石に曲がりなりにもインペリアルナイト!只今綺月出血中です(ダクダク)
やはりアーさん暗殺は難しい模様。しっかり返り討ちになってしまいましたね。
でも綺月の生命力を嘗めてはいけません、へっちゃらです。(えっ?)

それはさておき。
ちょっと懐かしい作品の続き、というか何というか。一応リンク作と分類させて頂きました。(多分間違い)
天然故の爆弾発言をするカー君と恐らく目が据わっているだろう酔っ払いアーさんが素敵v綺月などの阿呆作品で
このような楽しい作品を思いついて下さったとは感激です。というか綺月は当然の如く氷花様の書かれた方が好きですvvv

カー君を押し倒すアーさん。頑張ってるねアーさん!酔った時の方が実は本性なんじゃないかとうっかり疑ってしまうよ。
避されてるアーさんも好きですが強引なアーさんも好きです。でもやっぱり苦労性(笑)彼はいつになったら幸せになれる
んでしょうか。綺月は影から堂々と(隠れてる意味ないし)応援するからね〜☆

それから。
綺月も氷花様にフォーリンラブですからご安心を!(安心出来ねえ)
いつもいつも本当に素敵な作品ありがとうございますvvv愛してます〜(だから要らないって)
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