咲き誇る花



「花ってさ、誰のために咲くのかな?」
ある暇な昼下がり、仲間内でお茶をしながら馬鹿な話をしていると、こんな話題が出た。
「花って、やっぱりアッチのお花?」
親友がニヤニヤと笑いながら、さりげなく小指を突き立てる。
・・・あまりにも下世話なノリについて行けずに沈黙を保っていると、やはりというか何と言うか、発言者は顔を赤らめてうなずいた。
「へぇ、色っぽい話じゃないか、さあ、包み隠さず全部白状しろ!」
・・・お前なぁ・・・。
嬉しそうに主君にヘッド・ロックを掛けながら、不遜にもこんなことを言う男が何故親友なのだろうかと一瞬真剣に悩む。
隣を見るとウェインやジュリアも同じ顔をしていた。
俺は、常備している胃薬を取り出す。
・・・マイトレーヤお手製の胃薬はすぐに効く、ありがたい事だ。
が。
いいのだろうか?仮にも国王とインペリアルナイトが昼間からこんな話していて・・・。

「いえね、ほら、最近ルイセさん急に綺麗になったじゃないですか。」
僕のために・・・だったら嬉しいな〜とか思って。
・・・幸せそうにこんな所で惚気ている青年が、「賢王・エリオット陛下」だと誰が思うだろう

「ほほぅ、それで、二人はどのあたりまで進んだのかなぁ?」
隣でニヤニヤ笑いながらエロ親父のような顔で冷やかしている男が、
「戦場の笑う死神」オスカー=リーヴィスだと言って信じるものがいるのだろうか?

・・・俺はこの国の将来を考えて少しブルーになった。

でも、陛下のそのお気持ちが分からない訳ではない。

ふと、思い出す。
マイトレーヤが俺だけに見せてくれる表情、聞かせてくれる声。
しなやかに仰け反る身体、抱きしめ返してくれる細い腕。
白い肌に刻んでゆく赤い花弁・・・。
その様は、俺の為だけに開いてゆく花に似ている。
・・・マイトレーヤ・・・。
「・・・絶対、Hなこと考えていますよね。」
「・・・マイ・ロード何でこんな男の事。」
のけ者にされた、と言うか常識人の二人は思う。
この隣国の恋人のことを思って赤くなったりにやけたりしている男を、二度の大戦を潜り抜け、
時空召喚までされた「護国の騎士」と言って 信じるものが果たしているのだろうか?
と。

「魔法学園に依頼して、妄想の見える眼鏡とか作ってもらおうかな〜」

バーンシュタインの平和な日常。
それは大体、二人の青年の妄想と惚気で暮れてゆく。

どっとはらい。






・・・悪気はありません。
ただ、こうゆうノリも、アリかな?
と、思って・・・。




▽ 管理人戯言
おおーギャグというかコメディーというか。
こういうノリ綺月は好きですよ。ラブラブっぽいのが苦手とか切ない話が好きとか言っといて何だよーと思われるかも
しれませんが(汗)結局のところアー主なら何でもアリだなとそういう結論に至ってしまいました。あれ〜???

それにしても妄想が見える眼鏡!そんなものが出回ったら綺月は即投獄されるか精神病院に連れて行かれるかと危ういん
ですけども。なんとしても阻止せねば!ああ、というか妄想する筆頭がツボにハマって腹が捩れそうです、ううっ。
もうこれ頂いた時、綺月かなりPC前で怪しげな笑い漏らしてたんで家族に変な目で見られてそうです〜(T□T)
でもいいもん。幸せだもん!(いや、ここで可愛い子ぶられても・・・可愛くないし)

とにかくすこぶる綺月のツボを擽るSSさんをどうも有難うございます花丸様☆
一応挿絵というか今回の名場面と思わしきところを画像化してみることにしましたので暇があれば見てやって下さいませ。

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