「月の声が囁くは、荊に囚われし者への鎮魂歌」





紅い夕日のごとく染まる…記憶。

限られた世界しか与えられていなかった者が、新たな世界で見たものは…。

目を閉じても消える事の無い、朱に染まる…想い…。



月が…見ていた…。



「だめだ…」



「…カーマイン」



受け入れられる筈が無い…。

たとえ、それを望んでいたとしても…。



「…カーマイン…」



優しい声…。

温かな瞳。

…差し伸べられる手…。

すべてを…受け入れられたら…。

…だが、それは決して許される事ではなく…。



「…俺は…、血に汚れている…」



この両手は…、多くの血が染み付いて取れ無い…。

手には感触が残り、赤い鮮血が消える事が無い…。

その中には、…今目の前にいる彼の親友までいると言うのに…。



「許される…はずが無い…」



それなのに、彼は、自分が大切だと言う…。

守りたいと…。



「カーマイン…」



自分を呼ぶ、その声。

心地よい低音が耳をくすぐる。

籠められた愛しさに、眩暈を覚えそうになる…。

その都度…、何度酔い痴れたいと思った事か…。



「…すまない…。…ライエル」



何度目だろう。

拒絶の言葉。

果たしてそれは、彼に対してか?

…己の心にか…?



「カーマイン!?」



真っ直ぐに見つめて来るその視線から、思わず逃げ出す。

そんな事しか出来なかった。

あのまま囁かれ、触れられたりでもすれば…。

…怖かった。

自分が、変わってしまいそうで…。



ふと、感じた。



闇の中で、優しく光る月…。

それはまるで、心に響く彼の声のように…。



気付かなければ良かった…。

殺めた者の想い。

彼の想い。

己の…想い…。



それは痛く…。

今にも傷付けられてしまいそうな荊のように…。

想いを抱く者全てに、…絡み付く…。



Fin



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二作目は、カーマインにしてみました。

実はこれを書き上げたのは、会社の朝礼中という…。

妄想モードに入りやすいんですよ、本当に。

ちなみにもう一作も、会社で書きました(^o^)g

(何してんだか…)







▽ 管理人戯言
やったぁ、私!(何がだ)
こここここんなに素晴らしい作品を一番手に読めるなんて私って幸せ者ですね〜♪
そして自分の駄目さ加減に胃を痛める今日この頃。以前友人からは性格がオスカーみたいだと言われ今ではすっかり
アーさんの胃痛が伝染った模様。どうすればいいんでしょね(さあ?)

それはともかくもまたしても切ない系でかなり好みですv
さり気なく振られてるアーさんが痛々しいですね(嬉しそうに言うな)
妄想することでこんなに素敵な作品を書けるのなら綺月もそれなりのものが書ける筈なのに・・・・。
何故私は駄文しか書けないのでしょう。おみその出来がやはり違うんですかね?

どうやら次回はラブラブ(死語)らしいので心待ちにさせて頂きます。このお礼は必ずお返し申し上げますので暫し
お待ちを神月様。本当に綺月に幸せな時間を下さってありがとうございました☆

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