盲目の呪縛





欲しいものがある。決して手に入らない、とても高潔なそれ。
この手を伸ばしたところできっと届きはしない。そんな事は分かっている。
それでも感情というものはなかなか制御は出来ない。



徐々に狂っていく。


正常というものがどんなものであったかすら、思い出せない。



ただ、欲しいという純粋な欲だけがこの身に募る。



鮮やかに狂っていく、この精神。



手に入らないなら、他の誰かのものになるくらいなら壊してしまえ。
そんな凶暴な想いが、抗いがたく自分の中に入ってきてしまう。否、抗う事すらしていないか?
何て凶悪な自分。この自覚もいつかは薄れていってしまうのだろうか。

壊す事を当然と。奪う事が必然と。
そんな風に思ってしまうのだろうか、この醜く黒い精神は。

今だって、自由に飛び回るあの美しい青年の白い翼を剥ぎ取ってしまいたいと。
檻に閉じ込めてしまいたいと、彼を自分という箱庭へと押し込めてしまいたいとそんな事を思っている。
綺麗な金銀妖瞳。アレに映るのは自分だけでいい。否、自分だけでなければいけない。
そんな強迫観念にも似た強い欲望。盲目の呪縛。



一番恐ろしいのはその呪縛を全く恐れていない、この俺か。



狂っていく、壊れていく。



正常とはなんだったろう。思い出さねば。



このままでは盲目の呪縛の元、全てを壊してしまうだろう。



正常とはなんだったろう・・・・・・・・・・思い出せない。




キリキリと音を立てて、世界は崩壊していく。






―――盲目の呪縛は一生解けない―――




fin…?


黒アーネスト→カーマインな内容に。
誰の一人称かよく判らない辺りがとても自分らしいと思います(蹴)
全くおまけになってない内容でゴメンナサイ。

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