キスをください どうも俺は年下の少年・少女に好かれやすいようだ。 エリオットやミーシャ、ついでに妹のルイセ。何故か皆俺にくっつきたがる。 かくいう俺も可愛いものは好きだから、それはそれで嬉しいのだけど。 最近に至っては、エリオットからの要請で組まされた部隊の少年たちにも 懐かれる始末。その一人ハンスは、兄弟どころか家族がいないからか、俺を兄のように 慕ってくれている。ころころ変わる表情。屈託ない態度。元気でいい子で微笑ましい。 俺もつい、弟が出来たような気がしてしまう。頭を撫でてやれば嬉しそうにするから、 気付けば日課のように頭を撫でている。それを見たウェインが何やら羨ましそうに していたので、ウェインの頭も同様に撫でてやる。 「よしよし」 「あは、くすぐったいですよ〜」 わしゃわしゃ、かき混ぜるように頭を撫ぜると楽しそうな笑い声。 あんまり嬉しそうだから何度も何度も撫でてやる。するとウェインは顔を上げて。 殆ど身長は変わらないはずなのだが、何故か上目遣いで見てくる彼に少しだけ首を傾げた。 「・・・・・何だ?」 「カーマインさんって誰にでもこうなんですか?」 「・・・・・・・・流石にゼノスやライエルにはやらないぞ」 「・・・・・・・・年下だけ?」 「まあ、ね」 答えれば、ウェインの顔に複雑そうな色が浮かぶ。 「どうした?」 「いえ、おれは確かに年下ですけど、陛下やハンスよりも年上なんですよ?」 「・・・・・・・同じ扱いは嫌だったか?」 「そうですね、嫌と言うか・・・・おれくらいの年じゃ頭を撫でられるより・・・・・・」 途中で切って、ウェインは俺に耳を貸すよう言う。そんなひた隠しにする事か?と思いつつ 言われたとおり耳をウェインの口元に近づければ、チュと頬に何か触れた。 「う、ウェイン!??」 「おれは頭を撫でられるよりこっちの方が嬉しいですよ?」 悪びれなく言うウェインに、一瞬言葉に詰まる。頬にキスなんて五歳くらいまでは母がして くれていたがそれ以降、誰にもされた事がない。正直、かなり動揺してしまう。 「ね、カーマインさん。今度からはこっちにして下さいね?」 「え、いや・・・・・でも・・・・・・」 「・・・・・・・・・・・・・・・・駄目ですか?」 やはり身長はさして変わらないのに、上目遣い。しかもさっきより甘えるような顔。 妹のルイセも俺に頼み事をしてくる時は、こんな顔をしている。だから、俺はこの顔に滅法弱い。 大体、年下に強請られると何だか断れないんだ。だから、俺は仕方なく。 「・・・・・・・・・・時々・・・・・・だけ、だからな」 「はい!!」 何だか子犬みたいに嬉しそうにはしゃぐウェインに色々納得のいかない部分があった俺も、まあいいかと 思うようになってしまった。この年下に甘いクセ、何とか治した方が良さそうだな。そんな事を俺が 思っているのを知ってか知らずかウェインは暫くずっとそうしてはしゃいでいた。 以降、日に日にウェインの注文がエスカレートしていったのは・・・・・また別の話。 fin 色々騙されている1主。ちなみにこれはウェ主です。逆じゃありません(笑) エスカレートする注文ってどんなんでしょうね。ウェインはオスカー様に似て 腹黒いのできっとセクハラ紛いな事に違いないでしょう(殺られる) |
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