※CAUTION この作品はパラレル部屋のI.K化の設定で書かれています。 カーマインがインペリアルナイトで且つアーネストとオスカーとは幼馴染の関係に あったりします。んな設定認めねえー!!と思われるお方はダッシュでリターンお願いします! あ、ちなみに18禁です(殴) オッケーイ!というお方はスクロールプリーズ!!(気持ち巻き舌) 月と太陽が、日毎世界を異色に染めていくように。 人も、昼と夜では全く違う彩を垣間見せるのかもしれない。 陽光に照らし出された優美な笑みと。 月光に晒された艶やかな笑みは、まるで異なり。 深く、深く・・・・ 真昼の太陽、真夜中の月 目を、閉じて。耳を塞ぎ、息を殺す。 地面に着いた足裏で大地を感じ、肌を擽る風から世界の動きを知る。心には静かな、波風一つすら存在せぬ、 永遠に平らな水面を浮かべ、世界から切り離され四方に囲われた空間に、自分一人が立つ。 目で見ず、耳で捉えず、ただ心だけを研ぎ澄まして、指先に馴染んだ柄を握り、漆塗りの鞘から脈動すら 感じる己の獲物を抜き放つと、目前に広がる空気を断った。 ゴトリと鈍く何かが地面に落ちる音が響き、男は閉ざしていた緋色の双眸を開く。 視界の先には斜めに切り落とされた居合い抜き用の的。その断面はまるでかまいたちが吹き抜けたように、 毛羽立ち一つないまっさらな断面が出来上がっていた。迷い一つ持たない、鋭い刃の跡。 戦場で人を斬り殺すよりもよほど難しい技。それを涼しい顔でやってのけた男は一つ吐息を零して踵を返そうとした。 「アーネスト」 けれど背後から自分を呼ぶ声がして足をその場に縫い止める。無骨な剣を鞘へと納め、振り返れば自身が想像 していた通りの人物が立っていたため、心持ち口元を緩めて出迎えた。 「早いな、カーマイン」 まだ、朝日が昇って間もない、鳥の囀りが辺りから聞こえてくる時刻。普通の人間は恐らくまだ眠っているだろうと、 そんな事を考えながら声を掛けられたアーネストは言う。カーマインはそれに微苦笑を浮かべると首を傾ぎ。 「アーネストの方が早いだろう。何もこんな時間から鍛錬する事もないのに・・・」 「あまりこういう姿を他人に見られたくない」 憮然と返すアーネストに、カーマインはらしいと思った。シャイな性格というのもあるだろうが、アーネストはこういった 努力の痕を人に見られる事を厭う。常に人知れぬところで切磋琢磨している。それは彼の美点ではあるが同時に 勿体ない事のようにも感じられ、カーマインは僅かに目を細めた。そしてふと気づく。 「あ、だったら俺に見られるの嫌だったか?」 ごめんと眉根を寄せて首を竦めたカーマインの言葉にアーネストは驚いたように瞬きを繰り返す。 どうやら心底意外な発言だったらしい。いつの間にか組んでいた腕を外して、コツンとカーマインの額を小突く。 「お前になら見られても構わない」 「何故?」 「・・・・知っているだろう」 まるで分からない、そう告げているに等しい表情にアーネストは内心で呆れつつ、額に当てた指先をゆるりと下げ、 滑らかな曲線を描く頬をなぞる。その手つきは普段のあやすものとは違い、夜の情事を髣髴とさせるもので。 知らずカーマインは白い頬を朱に染め上げた。 「ア、アーネストっ////!?」 「なんだ」 「な、なんだじゃない。どういうつもり・・・・」 「・・・・・生憎と口で言うのは得意じゃないんでな」 ひらひらと悪びれた様子もなく振られる手に何となくムッとして、仄かに険を含んだ眼差しを送ってくるカーマインに アーネストは微笑んだ。柔らかに、というよりは何処か意地悪く。 「その表情は見慣れてしまったな。怖るるに足らん」 「・・・・・・・・・ッ」 「・・・何年来の付き合いだと思っている。幼馴染というのはそういうものだろう?」 確か初めて会ったのはお前が三歳で俺が七歳だったか、などと遠い過去を思い出しながらアーネストは未だに 剥れているカーマインの白皙の面に影を落としている長い前髪の一房を摘んで言う。 もう十六歳になるカーマインに対し、アーネストが子供にするような仕種を取ってしまうのは幼少時の思い出のせいだろう。 仔猫のように自分に擦り寄ってきた幼子の面影を切り離せずに。兄のような心で。あくまでも表向きでは、であるが。 実際にアーネストの胸の内にあるのは兄心ではなく恋慕の情。カーマインもそれは同じで。夜にもなれば二人は別の顔を 垣間見せる。もう一人の幼馴染を混じえて。 「ああ、それよりも。そろそろ奴を起こさなければ」 「奴ってオスカーか?まだ早いんじゃないか?」 「昨日のツケがまだ残っている。早めに起こして処理に取り掛からせねば間に合わん」 「なんか、筆頭っていうのも大変だな・・・」 先ほどまで怒っていたカーマインも、アーネストの労苦を思って機嫌を直す。すたすたと自分たちの他に誰もいない 開けた鍛錬場から出て行く。中庭に面した通路から強い風が吹き、紅蓮と漆黒の制服の裾が靡いた。 さながらスカートのようなそれを気にして後ろ手で抑えているカーマインに気がついたアーネストは軽くカーマインの腕を 引いて、風の吹く方向とは逆の自分の側面にその細身を押しやる。 「・・・・ありがと」 「・・・・・風で飛ばされてしまいそうだからな」 「そんなに俺は貧弱じゃない」 「俺の片腕でも余るほど細い腰をしていてか?」 ほら、と実際にカーマインの腰に腕を巻きつけて見せる男の大きな肢体が恨めしく、カーマインは唇を尖らせた。 次いで腰に当てられた手を外そうとぐいぐい引っ張る。けれど悲しいかな、びくともしない。何度抗っても。 アーネストに比べれば、カーマインは貧弱であった。幾ら国の誉れたるインペリアルナイトであっても、純粋な 腕力はどう足掻いても勝てそうになく。結局されるがままになってしまう。そうなれば今は早朝で城内にまだ人気が ないのがせめてもの救いのように思える。 「アーネストは意地悪だ」 「お前にしかしない」 「・・・・・・それに狡い」 特別に、想われている事を知っているカーマインはそれ以上何を言っていいか分からず、口を噤んだ。 アーネストの紅い瞳が和らいで、優美に微笑が滲む。 「そういうお前は可愛いな」 「・・・・・・ば、か・・・・」 疲れたようなカーマインの最後の抵抗も、上機嫌なアーネストには全く効果がなかった。 ◆◇◇◆ 「おい、オスカーとっとと起きろ!」 ドアを蹴破るように乱暴に開けて、ズカズカと勝手知ったるとばかりにアーネストは室内に入り込む。 そのまま真っ直ぐ遮光カーテンに向かい、一気に開いて薄暗い部屋に陽光を取り入れると、もぞりと明かりから 逃れるようにオスカーは毛布を深く被り込んだ。往生際の悪い彼の様子に額に青筋を浮かべながら、アーネストは 仮眠用のベッドへと足早に近寄って真ん丸に篭もった毛布を無理やり剥ぎ取る。床に落とし、逃げようとする オスカーの耳を掴んで大声で怒鳴りつけた。 「いつまで寝てる!起きろと言ってるだろう!!」 むしろ起きやがれとまで言いそうな勢い。あまりの剣幕に部屋の入り口で待っていたカーマインが慌てて アーネストを抑えにいく。羽交い絞めは体格的に無理なので背後から抱きつく感じで。華奢な指先が自分に 回ってきたのに気づいてアーネストは漸く落ち着いた。掴んでいたオスカーの耳を離し、背後を振り返る。 「アーネスト、耳元でそんな大声出したらオスカー、鼓膜破れちゃうって」 「・・・・・しかしコイツ、寝起きがサイアクでな・・・」 「うん・・・・でも俺が起こすから」 「お前が・・・?生半可な事ではコイツは起きないぞ」 「それでも頑張ってみるから、アーネストは先に仕事してて」 ぐいぐいとアーネストの背をカーマインは押す。そうでもしないとこのままではバイオレンスな展開になるような 気がしたからだ。それはグッと握られた拳からも分かる。カーマインが止めなければ確実にアーネストはオスカーを 殴って起こそうとしていた筈だ。半分は日頃の鬱憤晴らしも兼ねて。 「アーネスト、後でお茶持ってくから、ほら行って」 「・・・・・お前がそう言うなら・・・まあ。起こせなかったら呼びに来い」 「ああ、分かった」 まだ何処か残念そうなアーネストに苦笑してカーマインはヒラヒラと手を振った。パタンと閉ざされたドアが互いの姿を 隔てる。足音が遠ざかってから、カーマインは一呼吸置いてオスカーへと向き直った。アーネストにああは言ったものの 正直カーマインはオスカーを起こす自信がなかった。アーネストがあれほど声を大にして叫んだのに起きてこないのだから 寝起きの悪さは相当なものだろう。考えただけで頭が痛くなる。それでもカーマインはオスカーを起こそうと手を伸ばす。 丸まった背を向けて眠る男の肩を少し強めに揺すった。 「オスカー、朝だ。起きて・・・・」 「・・・・・ん・・・・・」 「・・・・オスカー、起きて・・・・」 「ん〜・・・・おはようのキスしてくんなきゃ起きなぁい」 「起きてるじゃないか・・・・って言うかキスって・・・・・」 何と言うか呆れて物が言えない。カーマインはそう思う。思うけれど、オスカーは一度言い出した事は聞かない。 それも分かっている。言葉通り、おはようのキスとやらをしなければ起き上がる気はないのだろう。 本当に困った人だと溜息を零しながらもアーネスト同様にオスカーの事も大事で愛しいと思うカーマインは 結局逆らえず。そっと唇を寄せた。頬に。 「口じゃな〜い」 「文句言わないで、ほら起きて」 「・・・カーマインは僕の事嫌いなんだ、そうなんだ・・・」 「な、そんな事言ってないだろう」 「本当に?だったら・・・ね?」 「・・・・・・・・・・・・・・」 ね?の後に省略された言葉を悟ってカーマインは何とも言えない表情を浮かべた。しょうがないな、と さながら母親のような事を思いながら、身を屈める。そして今度こそ文句を言われないように柔らかな唇の上に 自分のそれを重ね合わせた。 「・・・・・・ん」 触れて直ぐに離そうと思っていたのに漆黒の髪は下から伸ばされた腕に押さえつけられる。 体勢が体勢なだけに抵抗のしようもなく、倒れこみそうになるのをベッドに手を付いてカーマインはなんとか堪えた。 その間に口の内に濡れたものが入り込んできて尚更慌ててしまう。 「オス、カ・・・・」 嫌なわけではないとはいえ、朝からするような事でもない。カーマインは必死でオスカーを押し返そうとするものの、 徒労に終わってしまう。解放された頃には細い首はぐったりと寝そべったオスカーの腹の上に落ちた。 「おはよう、カーマインv」 「・・・・・お・・・そい・・・・・・・・」 息も絶え絶えなカーマインには、どんなに不満があろうともたったそれしか言う事が出来なかった。 ◆◇◇◆ 何かと騒がしかった早朝から幾分と時間が経ち、空を彩る太陽も西に傾いた頃、それぞれ己の執務室で 書類整理に当たっていたインペリアルナイト三名は、日課とも言える茶会のために、睨み合っていた書類から 顔を上げた。ゆっくりと長時間腰を落としていた椅子から立ち上がり、テラスのある休憩室へと向かう。 カーマインは気分じゃないと断ろうとしたが、半強制的に残りの二名によって引きずり込まれる。 「・・・・・・・・・・・」 むっつりと。上機嫌なアーネストとオスカーとは対照的に無理やりそこに座らせられているカーマインは ティーカップを目前に顰め面をしていた。かちゃかちゃと熱い紅茶を冷ますために動かしているスプーンの立てる音が 常に比べて荒い。怒っているのが一目で分かる。一息でカップの中身を飲み干してテーブルに置かれた皿の上へそれを いささか乱暴に下ろした。普段の彼ならばもっと味わって、嬉しそうにするのに。 「・・・・・何を怒ってるんだい?」 茶会の席で機嫌を悪くするカーマインなど初めて見るために、今までどうしていいか分からなかった二人の同伴者の内の 一人、オスカーが堪らず聞いた。ちらりと金銀の双眸が声を発した男を捉えたが、すぐにツンとそっぽを向いてしまう。 聞く耳を持たないらしいカーマインにオスカーは項垂れた。 「ひょっとして今朝のを怒ってるのかい?でもアレは君も悪いんだよ」 「・・・・・・・・・・何が」 「だって君が可愛いすぎて仕方ないんだもの」 「そうだな、お前が可愛いのが悪いかもしれんな」 「・・・・・・・・・・・〜〜ッ」 一つも照れた様子もなく言ってのけるオスカーとアーネストに今度はカーマインが項垂れる番だった。 誤魔化すようにティーカップへポットから新しい紅茶を注ぐ。それをまたかちゃかちゃと大きな音を立てながら掻き混ぜ、 口に含む。熱くて咽そうになるのを必死で堪えて、ひたすら二人の瞳から逃げる。もし、目が合ってしまえば間違いなく自分は 赤面する、そんな自信がカーマインにはあった。カーマインはただただ所在なさげに俯き続ける。 「・・・・・・・・・・・・・・」 「・・・・・・・・・・・・・・・・」 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ッ!!」 しかしどれだけ黙って俯いていても、逸らされる事のない二つの視線にカーマインは堪らなくなって、キッと僅かに 潤んだ瞳で自分を一心に見遣ってくる男二人を見上げた。 「ふ、二人とも性格悪いぞ!」 「「・・・・・・・・・・・・・?」」 「そうやっていつも俺の事困らせてからかってるんだろう?!」 頬に熱が篭もっているのを自覚しながらカーマインは叫ぶ。そんな彼の様子にオスカーたちは一瞬虚をつかれたような 表情をするものの、すぐにそれは笑みへと変わって。そっと手が伸ばされる。 「からかっているわけではない。朝にも言ったろう?」 「そうそう、あんまり可愛いから苛めたくなるのは確かだけどね」 「・・・・・・・・・・な・・・・」 「何て言うのかな。愛でてるっていうか、可愛がってるというか」 とにかくそういう感じとオスカーは付け足してカーマインの顎を取る。真っ直ぐと視線を合わせれば真剣味を帯びた 眦が寄越されて、カーマインは戸惑う。顔を逸らせないため、横を向けばオスカーと同様に真摯な輝きを持ったアーネストの それがあり、カーマインはどうしようもなく、更に頬を染め上げる。 「・・・・・ッ、もう分かったから・・・・あんまり・・・その・・・見ないでくれ」 「どうして?」 「どうしてって・・・言われても・・・・・その、・・・・・」 恥ずかしいものは恥ずかしいのだから仕方ない。そう言いたいのだが、唇を微かに動かすだけで精一杯なカーマインは 諦めたように口を閉ざし、紅い頬を少しでも隠そうと顎を掴まれていながらも額を突き出して長い前髪で白い面に影を落とす。 その所作が余計に可愛らしさを増幅させている事に本人は気づかない。 「本当に可愛いよね君は。小さい頃から変わらないなぁ」 「な、何を言って・・・・・」 「初めて君と逢った時は天使が舞い降りたと思ったね」 「天使って・・・アーネストも頷くなっ////!」 いつの間にかうんうんとオスカーの言に頷いているアーネストにカーマインは叱咤するものの、当然ながら 相手は気にした様子もない。それどころかよしよしとカーマインの闇を溶かしたような髪を撫でるくらいで。 幼少時からの付き合いなので子ども扱いされても仕方ないとは思うものの、納得出来ない自分もいるのも確か。 桜色の唇をきゅっと引き結んで不満を露にする。そうすればアーネストは笑って。 「子ども扱いは不満か?」 カーマインの色違いの双眸に、自身よりもずっと早く大人びた幼馴染の顔が映り込んでいる。 四つしか離れていないのに、もっとずっと年上なんじゃないかと、そんな事を思わず考えてしまうほどに。 初めの頃はその落ち着いた雰囲気に安心感を覚えていたものの、今ではすっかりカーマインは参ってしまっている。 意思の強い瞳に真っ向から見つめられれば、くらくらと眩暈を覚えてしまう。カーマイン自身も相手からそのように 思われている事も知らず。ぽーっと恋する少女のように蕩けた表情を浮かべていればぼそりと低い呟きが耳打つ。 「・・・・愚問だったな。お前はもう子供じゃない」 「・・・・・・・・・・?」 「あはは、そうだね。随分前にお子様は卒業しちゃったもんねぇ」 「夜のお前は充分大人の顔をしているぞ・・・?」 「!」 含みを持った声音に漸く何を言いたいのか悟り、カーマインは頬と言わず全身を真っ赤にして恥じ入る。 強引にオスカーの腕を払いのけて逃げ出そうとするものの、背後から強い腕がそれを阻む。黒髪に吐息が触れた。 ぞくりと首筋に痺れが走る。 「・・・・・ぁ」 「・・・・もう、子供じゃないんだろう?」 「おニィさんたちとオトナの時間を過ごしましょ?」 先ほどまでとは打って変わった艶やかな声音に囲まれてしまえば、取り押さえられた細身の肢体は ずるずると底なし沼に沈むようにゆっくりと背後の腕に崩れ落ちていった。 ◆◇◇◆ 「・・・・・・・・・ぁ・・んぅ・・・」 部屋の明かりを全て消して、窓辺から月明かりの帯が差し込むだけの薄暗い室内に愉悦を耐え切れぬ響きが満ちる。 それを発する色白の筈の肌はまるで酔っているのではないかと思うほど紅く染まっていた。すらりと伸びた長い脚は、 上に跨る男の裸体に厭らしく絡みついて。汗に濡れた黒髪が、ギシリと軋むベッドの上の白いシーツに広がり、 夜目にもはっきりと分かる、美しいコントラストを作り上げていた。 「は、ぅ・・・・・・ぁ・・・・ッ・・ス・・カー」 胸に焦れるような痺れが走り、オスカーに組み敷かれたカーマインは悩ましげに小さく呻く。 くちゅりと粘る水音が、聴覚をも犯して。熱い舌が色づいた胸の中心を行き来する度にカーマインの呼吸が切迫する。 苦痛にも似た全身を浸す悦の波を逃がそうと頭を振るが、その度に口中に含まれた突起に歯を立てられ、甲高い 悲鳴が細い喉から漏らされた。 「ひぁっ、ゃ・・・ああっ!」 「・・・昼の君はとても可愛いけど・・・・今この時は本当に綺麗だね」 「・・・・なっ・・・・そ・・な事・・・・んン!」 否定の言葉を吐こうとするカーマインの口を黙らせようとしてか、グリッとオスカーの指先が唇で弄っているのとは逆側の胸の 頂を強く押し潰す。普通ならば痛いであろう行為も、何度も何度もその腕に抱かれ慣れてしまった敏感な肢体は、 ただただわけも判らず反応せざるを得ない。それが自分の厭らしさを浮き彫りにしているようで、カーマインは色違いの瞳に 隠しきれない涙を滲ませる。ほろほろと透明な雫が滑らかな頬を伝ってシーツに染みを作っていく。ひんやりとしたその轍を 真上から覆い被さってくる影がそっと拭った。 「・・・・・っ」 「・・・オスカー、あまり苛めるな」 「ん、だって可愛いんだもん」 ちゅ、と組み敷いた肌に徴を残しながら、恥じ入りながら涙するカーマインの涙を拭っているアーネストに向かって 窘められたオスカーは告げる。その答えに呆れ半分、同感半分の溜息を吐きながらアーネストはシーツをきつく 掴んで堪えている細い指先を捉えて舐めるように口付けていく。ベッドの主導権をオスカーが握っているだけに アーネストは度重なる行為に慣れているとはいえ、精神的には幼さもあどけなさもしっかり残しているカーマインの フォローに回っている。 「・・・・まあ、気持ちは分かるがな」 「・・・んむっ」 唇を宥めるように触れていれば、カーマインの小さな舌先がちろちろとそれを辿ってくるので、アーネストは そのまま歯列を割って内へと指を忍ばせる。小動物を愛でるような動きに、カーマインは戸惑いながらも突然入ってきた 異物を懸命にしゃぶる。そんな子供染みた、同時に酷く艶かしい様子に煽られないわけもなく、それまで 必死に理性を保ち、出来る限りカーマインを優しく扱っていたアーネストが身を乗り出す。 「あまり煽るな。酷い事をしたくなる・・・・」 「アーネストだって充分鬼畜じゃない」 「・・・・違いない。カーマイン・・・偶には此方も使ってみるか?」 「・・・ふぁ・・・・んぐっ!」 喉を鳴らして笑いながら、アーネストはカーマインの口から指を抜き去ると、その代りに別のものを宛がう。 指などよりもずっと質量のある熱いもの。いつもは別のところが受け入れているそれが、カーマインの小さな口の中に 押し込まれていく。ぎりぎり呼吸が出来るように先端だけが埋め込まれたそれは、次第に硬さを増す。 「んぅ、・・・ぅ・・・ぐ・・・・ん、ん・・・・」 「歯を立てるな・・・上手に出来たらいいものをやろう・・・・」 「・・・・・ふ・・・ん・・・・・・んむ・・・・ぅぅ・・・・」 「アーネスト、羨ましい事してるね。じゃあ・・・僕もそろそろコッチの蕾を頂いちゃおうかな」 「んむ、むぐぐ・・・・・んんっ!!」 いつの間にかカーマインの胸の上から頭を下げ、下肢を弄っていたオスカーはアーネストに触発されたように カーマイン自身から滴る蜜で濡らした指を、既にひくひくと蠢いている一層奥まったカーマインの秘密を暴く。 粘液同士が絡まって卑猥な音を奏で、上からも下からも責められる過敏な肢体はおかしな病にでもかかったかのように 絶え間なく全身をびくびくと震わせている。特に強い快楽が押し寄せるとしなやかに背を逸らし、その動きのせいで 余計に口に咥えさせられたものを深く飲み込んでしまう。喉を突く硬いそれが初めは苦しくて仕方なかったのに、 それすらアーネストの想いの表れだと思うと妙に興奮してしまっている自分に気づき、カーマインは恥ずかしさに目を閉じる。 「・・・カーマイン、そんな風に目を閉じてちゃ・・・・余計に苦しくなるだけだよ?気持ち悦すぎて」 「ん・・・そん・・・な・・・・ぃわな・・・で・・・・んぅぅ」 「だってほら、ここもう僕の指勝手に飲み込んじゃってるし・・・・」 僕は動かしてないんだよ?と首を傾げる動作をオスカーがすれば、気配で感じ取ったのかうっすらとカーマインは 一度伏せた眦を再び垣間見せる。気高く強いインペリアルナイトの一員とは到底思えぬほど潤んだそれは、恐らく どんな相手も簡単に魅了してしまうだろう。まるで毒のように中毒性のある色気。本当なら見るに耐えないほど 甘やかしてやろうと思うのに、この表情を見てしまえば、優しくしてあげようと気遣う余裕すら消え去って。 オスカーは不敵な笑みを浮かべると一息に押し入った。 「んんんーーーー!ぁ・・・ぃ、ゃああぁぁ!!」 「・・・・・くっ」 「・・・・・・っと」 アーネストの男根を咥えていたせいで、くぐもった悲鳴しかあげられなかったカーマインは、挿入のあまりの苦痛に 耐え切れず、頭を振ったため、口から唾液と共に今まで咥えていたそれを零してしまう。細い喉からひっきりなしに 漏れる悲鳴染みた喘ぎ声にアーネストは流石にもう一度カーマインの口腔を自分のもので犯す気にはならず、 仕方なく宥め役に戻る。汗で張り付く前髪を整えてやり、オスカーの動きから逃れるように身体を捻るのを触れるだけの 優しいキスで押し留めた。 「ひぁ、あ、あ、あ、あーーー!」 「・・・・カーマイン」 「あ、アーネ・・・・や、オスカーそんなに激しくしな・・・で・・・ああっ」 「激しくするなって・・・そん、な顔で言われても・・・ねえ・・・・・」 無理な話だというように、オスカーの腰の動きは緩やかになるどころか余計に勢いを増すくらいで。 ぐちゅぐちゅと結合部からは濡れた音しか聞こえてこない。カーマインも必死に快楽の波に飲まれぬように歯を食いしばって いても巧みな突き上げに、簡単に意識を奪われていく。ひらひらと持ち上げられた足先が空中を彷徨う。 蝶のような艶やかさ。男なら誰だって誘われる。アーネストもオスカーとカーマインの様子に一度は抑えた欲望が 抑える前以上に膨れ上がるのを感じ、夜闇にもはっきりと光る緋色の瞳を細め、対面する形になっている オスカーへと視線を投げた。 「・・・・?なんだい、アーネスト。その、何か言いたそうな目は・・・・」 「オスカー、カーマインを上に乗せろ」 「上にって・・・・・こうかい?」 「んあっ」 アーネストの言葉に従うようにオスカーは組み敷いていたカーマインと体位を入れ替える。自分が下になり、 カーマインは腹の上。所謂騎乗位という体勢。貫かれた秘部がよく見える格好にされてカーマインは泣きながら首を振った。 「ぃ・・・ゃだ・・・・アーネ、スト・・・・オス、カ・・・ふぁぁ」 「まあ、そう言うな。先ほど言っていたいいものをやろうと思ってな」 「ちょ・・・アーネスト、君・・・まさか・・・」 瞬時に同年の幼馴染の考えている事を察したオスカーが僅かに狼狽した声をあげたものの、アーネストは気にした風もなく にこやかに笑んで。 「俺だけお預けを喰らうなんて御免だからな」 「・・・・・・・・・・・・・・・」 ぐっと、カーマインの背後に回ったアーネストは真下の細い背中へと手を掛けた。ぬるりと唾液に濡れたひんやりした 指の感触に驚いたかーマインは無理な体勢ながら後ろを向いた。アーネストの紅い眼差しがすっと射抜いてくる。 それから、既にオスカーの欲を受け入れている蕾に、先ほどまでカーマインが咥えていたものが触れて大きく身体を 跳ねさせた。情欲に濡れたオッドアイが一際強く揺れる。 「や・・・アーネスト・・・だ・・め・・・入んない・・・・」 「大丈夫だ、ほら・・・力を抜け」 「ふゃ・・・・・あ、ん・・・・んんっ・・・・・」 少しでも力が抜けるようにと、オスカーの腹の上で萎縮してしまっているカーマインの熱源を掴むと上下に扱き、 アーネストはカーマインの蕾の内へとゆっくりと自分を埋めていく。めりめりと狭い入り口を押し広げる音が耳に届く。 それだけで達してしまいそうな甘美な音。耳にする者全てを狂わすような。事実、この場の三人とも最早狂って いるのかもしれない。倫理などとうの昔に打ち捨てて、それぞれが愛しい者だけを求めて、深く溺れて、 底なし沼に沈んでいく――― 「ぃや・・・・くぅ、ん・・・・は、あぁ・・・・・・」 二人の男に愛された少年は、月が隠れ、空の色が変わるその時まで夜の顔で艶やかに舞う。 心を喰い破る、獣のように―――美しく ◆◇◇◆ 「大丈夫かい?」 何度もその手で上り詰めさせておきながら、聞く事ではないと思いつつ、オスカーはぐったりとベッドの上に果てている カーマインに問う。アーネストも勿論同様に尋ねたが、ぐったりとさせた主な原因であるために、カーマインは何も応えては くれなかった。ただ兎のように真っ赤に腫れた目で力なく見つめてくるだけで。それでも罵詈雑言の一つも飛んでこないだけ マシなのかもしれないが。ふいと顔を背けられる。 「・・・・・カーマイン、やはり怒っているのか?」 「やはりっていうか当然じゃないの?」 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」 「ほらね」 情事の最中の強気さは何処に消えたのかと思うほど情けない声を出すアーネストにオスカーは合いの手を入れる。 勿論カーマインは一言も返さない。そんな彼に焦れたのか、アーネストはそっと後ろ向く黒髪へと手を伸ばす。 「・・・・カーマイン、反省はしている。だがあれはお前を愛しく思うからこそだというのを忘れないで欲しい」 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」 「カーマイン、アーネストだって君を苦しませたくてしたわけじゃなくて・・・なんていうか・・・男のロマンというか・・・・」 「も・・・いいよ」 「「え?」」 やっと掠れに掠れた声を絞り出したカーマインに言われた二人は疑問符で返す。 「・・・・だからもういいって・・・言った」 「しかし・・・・」 「アーネストは俺の事好きでいてくれてるんでしょう?」 「当たり前だ。嫌がらせであんな真似をすると思うか?」 「・・・・・思わないからいいって言ってるんだ。だって・・・俺は二人の事・・・すごく、・・・好きだから・・・・」 何をされても。最後にそう呟いてカーマインはぎゅっと自分の身体を縮めた。ただただ恥ずかしさから逃れるように。 そんな可愛らしい彼の背をアーネストとオスカーは優しく包み込む。 「「ありがとう、カーマイン・・・・」」 「・・・・・・・・・・ッ////」 「もし明日動けぬようなら、俺が全て面倒見てやる」 「あ僕も僕も。お姫様と騎士って感じでべったべたに甘やかしてあげる」 「・・・・・・・ば、か」 艶やかな夜の顔とは一変した優しい常の顔を晒す二人の様子に、カーマインは力なく可愛げのない。可愛らしい言葉しか 言い返す事が出来ず、自分を、そして自分が愛してやまない二人にこれ以上なく甘やかされ続けた。 月と太陽が、日毎世界を異色に染めていくように。 人も、昼と夜では全く違う彩を垣間見せるのかもしれない。 陽光に照らし出された優美な笑みと。 月光に晒された艶やかな笑みは、まるで異なり。 深く、深く・・・・ 獣のように、心を喰い破る――― fin 先ずは恒例(?)の土下座をぉぉぉ!! 本当に申し訳ございませんでしたァァァァ!!(二回目) I.K化パラレル第一弾が3○ってー!!(殴)すみません、すみません!! 途中からアレ、自分何書いてるんだっけ??って5分ごとに思ってました。 何書いてるんでしたっけ?(スクリューパンチ!) えー、リクが「I.K化設定のアー+オス×主の裏で二本挿し(中略)の鬼畜&甘々な話」 だったんですが、甘々何処行った!!??(本当に)鬼畜しかなくなくない?(殴)な 話になってしまって、どうしようどうしよう、まいっかーvと諦めました(死) いえ、あのリテイクありましたらもうドンとこーい超常現象ばりにドンとこーい! ですので!!がっつり申して頂けると幸いです!! でわでわ86000打リク、有難うございました繭美様ー!(ほんまにすみません) Back |