滅べ?ていうか滅べ?即刻滅べ? ・・・頭痛ぇ・・・ 次第に覚醒していく重い頭に片手を置きながら、ゆっくり目を開ける。 が、室内は薄暗く今が何時なのかさっぱり分からない。 時計を見ようとして、枕元を見た瞬間。 俺は果てしない違和感に固まった。 何だろう、この深いグリーンの枕。 そしてシーツ。 更にはベッドカバー。 ・・・俺のベッドは白で統一されている筈・・・? 見渡してみれば、何もかもが自分の部屋とはかけ離れている。 つまり、ここは知らない誰かの部屋、という事に・・・。 「っ!!」 布団を蹴って飛び起きた俺は己の姿に更に固まった。 いっそ化石になって風化してしまいたい。 辛うじて下着は履いているものの・・・なんつーかコレでは裸族だ。 「な、なんでっ。」 軽くパニくりながら叫んだ俺に、耳に心地よいテノールが響いた。 「起きたか?」 見ると、そこには軽く扉に凭れながら佇むアーネストの姿。 「ア、ンタ、何で・・・」 「ココは俺の家だが?」 「っ・・・ええと・・・スイマセン、事情が飲み込めません。」 「1から10まで事細かに説明して差し上げようか?」 「イエケッコウデス・・・」 口の端だけ上げて笑うアーネストに、何か不穏なもの感じて俺は即座に辞退申し上げた。 きっと俺は正しい。 確かアレだ。オスカーとリシャールの海外買い付けに俺も一緒に行く筈だったのが、母さんとルイセの研究論文の 手伝いでいけなくなったんだ。それで、旅行を楽しみにしていた俺はリシャールの店でヤケ酒を飲んでいた・・・・所までは 覚えている。 その後が・・・その後が・・・・!!! ・・・見事に思い出せない! 「言っておくが、ソレは君が自分で脱ぎ散らかしたモノだ」 「え?じゃあ・・・!」 俺は半裸(ほぼ全裸)で寝ていただけ? 期待に満ちた眼差しを送る俺に、アーネストはニヤリと笑って。 「まあでも、据え膳食わぬは何とやら。と言うからな」 「!!」 「 ご ち そ う さ ま 」 「んなっ」 「ほら、良く撮れてるだろう?」 「は?」 ボスン にっこり。と気味悪いくらいに笑いながら、アーネストがブラックジーンズのポケットから取り出して放り投げた携帯が ベッドの上に落ちる。 「・・・・・」 落ち着け、俺。 きっと俺の寝相の悪い間抜けな姿とかだ。 うん、きっとそうだ。 そうに違いない。 ていうかそうであってくれ! 恐る恐る携帯を手にとって、開いてみると。 「・・・・・ぅ、ぎぃやあーーー!!!」 なんだコレなんだコレなんだコレ! アレですか、でぃーぷなきっすとかいうやつですか? ああああああ、言い逃れが出来無ぇくらいディープキスじゃねぇかああああああっ!!! しかも思いっきりムービーだー!!! 「アアアア、アン、アンタ、アンタなぁっ!!!」 俺は取り合えず思い切り携帯をアーネストに投げつけた。 が、それはいとも簡単にキャッチされてしまい余計に腹が立つ。 「君の表情があんまり可愛いかったから、オスカーに送信」 「したらコロス!」 「もう遅い。」 「したのか?!」 「勿論。キスだけで止めてやったのだからソレくらいは。」 ねぇ? じゃ、・・・ねぇっっ!!! 「滅べ?ていうか滅べ?即刻滅べ?」 「大丈夫。もし君たちが破局しても俺が君を拾ってやろう」 アーネストの話など完全スルーして、俺は大慌てで自分の携帯を調べた。 枕元に置かれたいたソレは・・・ご丁寧に電源が切れている。 盛大なため息を吐き出しつつ、電源を入れた瞬間。 当然と言わんばかりに悲鳴を上げるソレに、俺は 泣きたくなりながら通話ボタンを押した。 そして。 「も」 『帰ったら覚えておいで』 ピ! ・・・・・・・・・・・・・・。 「もしもし」すら言えなかった・・・。 俺、しばらくエリオットのトコ逃げよう・・・。 でも、その前に。 「 ぶ ち の め す ! 」 俺の拳を受け取りやがれ。 そうして恋人の親友目指して思い切り繰り出された俺の拳は。 易々とその手を取られてしまい、更にはそのまま引き寄せられて「おはようのキス」なるモノをしっかりはっきり思い切り 頂いてしまい、果ては超えてはいけない1線を超えかけました―。 なんて、死んでもオスカーに言えない・・・・! お題:SKYBZ129411様 fin 雲虎:流様/蒔様より きゃ☆「誤人戦隊☆ピロるんジャー☆」にて4444打をキリ踏みして頂きました アー主でホスト話ですー!!こちらのアニーさんはむしろライエル様とお呼びしたい くらい男前でございます!!惚れます!!事後承諾?万歳!! そしてライエル様、そのディープなキッスとやらのムービーを是非私にも・・・・!! 永久保存版にしたい次第であります・・・・!常に眺め倒したい・・・!! 1主(マリク君)の可愛い顔も拝みたい!帰った後のオスカーのきっついであろうお仕置きも 拝みたい・・・!素敵な妄想を呼び起こす作品を有難うございます!とべまる様、るりこし様! |