波乱☆混乱☆大乱闘 〜タイトルセンスがまるでないよ〜 第一話 来る10月10日、体育の日。 西のローランディアと東のバーンシュタインにそれぞれある姉妹校では、 両校の親睦を深めるためと称し、合同開催の体育祭が執り行なわれようとしていた。 しかし、普通に学校ごとに分けてしまうと男子の割合が多く、武に長けた生徒の多いバーンシュタイン側―インペリアル学園が 非常に有利になってしまうので、公平を期すため、両校の生徒及び教師陣を半分シャッフルした紅白戦の形を取られ、 その組み分けは厳正に厳正を重ねた(どんなだよ)くじ引きによって決められるのである。 ちなみにその時のくじ引き模様↓ 〜Side:グロー学園〜 理事長サンドラ(以下S):「今年もやって来ましたね、この時期が」 学園長ブラッドレー(以下B):「・・・・・理事長、まさか今年も例の方法で・・・・?」 S:「当たり前です、くじと言ったらやはりアミダでしょう!」 B:「そうは仰いますが、我が校は中等部、高等部合わせて120クラス、総勢4800人もおるんですよ!?」 S:「作り甲斐があっていいじゃないですかv」 B:「作ってるのは理事長ではなくいつも私ではないですか!!」 S:「・・・・・うっせーなハゲ、グダグダ抜かすと給料カットすんぞ(ドス声)」 B:「・・・・・・?!!(゚ロ゚||||)」 S:「・・・・っと、うっかり B:「い、いいいいえ、や、やっぱりアミダは素晴しいですな。くじといえばアミダ、理事長の仰る通りです」 S:「あら、やっぱり学園長もそう思われます〜?では、今年もアミダ製作宜しくお願いしますねv」 B:「お、お任せあれ!!(・・・ちょっと腑に落ちない)」 〜Side:インペリアル学園〜 生徒会長リシャール(以下R):「・・・・・ふう、合同体育祭か、かったるいな」 副会長アーネスト(以下E):「かったるいって・・・仮にも会長なんですからもう少し興味を持って下さい会長」 R:「そうは言うがな、この組み分けが毎回面倒で仕方ない」 E:「・・・・?普通にくじでも引かせればいいじゃないですか」 R:「それでは普通すぎてつまらんだろうが!!」 E:「・・・・・・はあ(何で怒られてるんだろう俺は・・・)」 R:「うーむ。毎度決め方に迷うのだが。前の時はダーツだったか・・・?」 E:「ダーツ・・・・・」←執行部では新人なので知らない R:「しかしそれだとあまりに人数に偏りが出来て何度も仕切り直しをしたものだ」 E:「・・・・・・・・・・・・・・・(馬鹿だ・・・・(TーT)」 R:「・・・・そうだ!今年は全校生徒による『だるまさんが転んだ』で決めるのはどうだ、アーネスト!」 E:「・・・・・・はあ、・・・・まあ(どうでも)いいんじゃないですか・・・・・(;¬_¬)」 R:「よし!ではさっそく全校生徒の招集だ!」 E:「・・・・・・・・・(何で俺、執行部に入ってしまったんだろうか・・・・)」 ・・・・っていうかくじ引きじゃねえじゃねえか(爆) そんな経過を得て、グロー学園、インペリアル学園両校とも何とか組み分けが済むと後は本番に向けての 練習と準備のみを残すところとなり、そこら辺の準備期間は中略して(おい)迎えた体育祭当日――― ◆◇◆◇ 「ふわぁ、今日はい〜い天気ねえ」 いい体育祭日和vと桃色髪の少女がぴょんぴょん跳ねながら頭に紅いはちまきを巻いている。 その背後から黒の長ランにグロー学園の校章をつけた濡れた夜闇のような美少年が姿を表す。 白く細い手には体育祭のプログラムや、注意事項の記された書類の束を持っていた。 「・・・・・すごいはしゃぎようだな、ティピ」 「あ、カーマイン!ってアンタ何でそんな格好してんのよ?」 「何でって、生徒会長・・・っていうか紅組のリーダーは代々黒の長ランって決まりがあるんだ。だからだよ」 「あー、そういやアンタって生徒会長だったんだっけ?いつもぽけーっとしてるから忘れてたわ」 「酷い言い草だな・・・・っと、そろそろインペリアル学園の会長さんと打ち合わせの時間だ」 「ふーん、まっ頑張んなさいよね。アタシは席につく事にするわ、じゃあね〜♪」 ぴょんと、また跳ねながらティピはグラウンドに特設された応援席の方へと駆けていく。彼女のそんな様子を 溜息混じりに見遣ってからカーマインは本部テントの方へ足を向けた。行きがけに青々と晴れ渡った空を仰ぐ。 冒頭でティピが呟いていた通り、本当によく晴れている。眩しい陽光に目を細めてカーマインは止めていた足を再び 動かし出した。漆黒の裾が風に煽られはらりと舞う。それに付け加えて手に持った書類が一枚風に乗って飛ばされる。 カーマインは慌てて書類が飛んだ方を向いた。拾いに行こうと足を踏み出したところで前から歩いてきていた人物に それは難なく受け止められる。その人物との距離は遠いが、独特のラベンダーの髪色が窺え、カーマインは思い至った。 「・・・・・あ、オスカー・・・さん?」 「そうだよ。覚えてくれてたのかい?」 拾った紙を持ってオスカーがカーマインの呼びかけとも呟きとも取れる声に応えた。以前会った時は白の学ラン姿だった 彼は本日は体育祭という事もあり、インペリアル学園のジャージを着ている。いつも耳につけているらしいエメラルドの ピアスのせいかイマイチ似合わない感じがするが、本人は全く気にした様子がない。笑顔で歩み寄ってきてはい、と 書類をカーマインに手渡す。それを受け取ったカーマインも一言礼を告げてにっこり笑った。 「どうも有難うございます、オスカーさん」 「いや、気にしないで。それよりそのオスカーさんっていうのと敬語はどうにかならないかい?」 「・・・?いやでも、先輩ですし」 「僕はそういうの一切気にしないから。それにあんまり敬語使われるの好きじゃないしね」 「えっと、それはすみませ・・・・ええっと・・・・すまなかった、な・・・・?」 つい敬語で話しかけ、カーマインは普段の言葉遣いに言い直す。しかし、まだ納得は出来てないようで語尾は疑問符を 乗せている。その反応が何だか微笑ましくてオスカーは笑った。カーマインは笑われた意味が判らず首を傾げる。 その微笑ましいを通り越して愛らしい仕種にオスカーは内心かなりぐっと来たが、まだノーマルな人と認識していて欲しいのか 堪えた。誤魔化すように元々カーマインが目指していた本部テントへと促す。 「まあ、とにかく今度からは普通に話してよ。それよりそろそろ本部に行かないとミーティング始まるよ?」 「あ、そうだった。えっと・・・・オスカー・・・も執行部だから本部に行・・・・くのか?」 「うん、そういえば君は紅組リーダーだよね?だったら僕も紅組だから宜しく」 「そう・・・・なのか。じゃあ同じ組同士、力を合わせて頑張ろう」 まだ何処か話し辛そうにしながらもカーマインはオスカーに合いの手を入れる。そうこうしながら歩いていればいつの間にか 本部テントへと辿り着いていた。二人並んでテントの中央に出来ている人だかりへと顔を出せば、その更に中心部に立っていた 二人が振り返った。一人はインペリアル学園執行部の副会長ことアーネスト=ライエル、そしてその彼の左隣に立っているのが インペリアル学園生徒会長のリシャール=バーンシュタイン。どちらもとても目立つ。そしてリシャールは会長だから当然 ではあるが二人ともどうやら白組のようだった。 「あ、お久しぶりです。リシャールさん、アーネストさん」 「・・・・・・・・・ああ」 「?あれ、何か少し元気がないみたいですね、アーネストさん・・・・」 大丈夫ですか?とカーマインは何処か覇気のないアーネストの顔を覗き込む。それにアーネストは曖昧に微笑んで返した。 実のところいい加減な会長の杜撰なプランへの補佐で多大なる疲労が押し寄せていたりする。それにプラスして 組み分けの『だるまさんがころんだ』でオスカーに負けて(笑)カーマインとは別の白組になってしまったのもテンションが 低い理由だった。むしろそちらの割合の方がでかい。しかし、そんな事をわざわざ口にする気もせず、ただ黙々と アーネストはリシャールのアバウトな書類の見直しに入る。ひたすら哀れだった。 「カーマイン、アーネストは忙しいみたいだから放っといていいんじゃない?」 「えっと・・・・うん・・・・あ、でも組は違いますけど、お互い頑張りましょうね、アーネストさん」 「・・・・・・あ、ああ。あり、がとう・・・・」 屈託のないカーマインの言葉に照れを感じつつも嬉しさが勝るアーネストは破顔した。いつもは仏頂面ばかりなのに そうしてふと見せる笑みはとても貴重で且つ、綺麗で。カーマインも何だか照れてしまう。その様子を隣りで見ている オスカーとリシャールは何だか面白くなく、ミーティングだ、とカーマインを引っ張って引き剥がす。引き摺られる カーマインの後姿を目で追いながらもアーネストは再び書類の見直しを始める。しかしその内心ではオスカー殺す、などと 物騒極まりない事を考えていたとは書類に視線を落としているその姿から察せられる者は誰もいなかった――― ≪back top next≫ お、終わらなかった・・・・(泡) えー、次回は恐らくアニー&オスカーの というか彼らのショートコント集になりそうです(お前・・・) 他キャラもなるべく多く出したいですね。 Back |